障がい者通所施設で働いてました。仕事内容教えます。2(作業内容編)
前回の記事で施設の具体的な仕事の生活にまつわる部分を書かせていただきました。
今回は、2.作業にまつわる支援について書いていこうと思います。
2.作業にまつわる支援
作業にまつわる支援といわれても、作業とはそもそも何かという話からですよね。
前の記事にも書きましたが、一口に知的障害者施設と書いても本当に多種多様です。
軽度の方が所属しておられる施設では就労支援と言って(この就労支援にも種類があります)社会の一員として働いていくための準備や練習をしている方もいます。
ですが、私は軽度な方たちと仕事をした経験がほとんどないので、そちらのほうは記事にできるほどではありません・・・すみません(-_-;)
私が働いていたのは、重度の方がいる施設だったので、基本的には下請けの下請け作業でした。
取引先の企業から簡単な作業を受注して期日までに組立、検品を済ませ、受け渡しをするというのが基本的な流れです。
作業の内容としてはいわゆる内職的なお仕事でした。
1工程の金額が決まっていて、工程数を重ねていくと値段がはじき出されるみたいな。
あとは細かい契約に沿って報酬が支払われ、その報酬を施設にいる利用者さんで月々分配するというのが一連の流れです。
他にも、地域のいろんな場所から空き缶を回収してきてまとめて換金したり、運搬作業をもらってきて職員と一緒に利用者さんが運搬作業をするというのもありました。
とにかく私が働いていた施設では、作業に関してありとあらゆる問題提示が常にされていて、私もかなり頭を悩ませながら日々働いていました。
福祉に関する法律や、国の対応は日々変わっていっていますが実際にはまだまだ社会の仕組みと重度に知的障害を持つ方々との‘‘ズレ‘‘が生じているような気がします。
そもそも作業をしているといっても、私が働いていた施設では今受けている作業ができる利用者さんは半分くらいでした。
前述した内職的な作業などは手先が器用な方は細かい要求にもしっかり対応して、こなしておられましたが半分、ないし、半分以上でしたかね。作業を強いられることがとても大きなストレスにつながっていたり、物理的にマヒなどの問題で作業に取り組むことが難しい方もたくさんいらっしゃいました。
それもこれも根本的な原因があって、わたしたちであれば「今日8時間頑張れば、8000円もらえる」とかいわゆる見通しが立っているわけじゃないですか。
具体的な勤務時間、それによってもらえる給与、休憩時間がいつで、何時間あるか、とか。
そういう見通しが全然たてられない方がすごく多いんですよね。
そうすると、みなさん「こんなこといつまでやらされるんだ?」と不安に思うのが当然で、どんどん機嫌が悪くなったり、途中で作業を投げ出したりするわけです。
この生活支援員という仕事の多くはこういうところに誤解が起こっているのではないでしょうか。
「知的障害者は狂暴」
「知的障害者は無責任」
そんな風に思っている方は少なからずいるのではないでしょうか。
もちろん、人間ですから狂暴で無責任な方もいます。
でも、それは健常者にもいますよね。
多くの知的障害を持つ方は、本当に必要な支援を受けることができないままにわけもわからずに過ごしておられます。
本当はおひとりおひとり得意なことや、好きなもの、大事なものがあるのに。
そこにたどり着くより先に、表面的な部分で勘違いをされている方もたくさんいるのが現実です。
・・・と、少し脱線しましたね。
要するに私たち生活支援員に求められていたのは
- 多くの利用者さんが取り組みやすい仕事を見つける
- 作業の仕方を利用者さんひとりひとりに伝わるように教える。
- 作業をする際に必要な手伝いをする(例:空き缶をプレスするために必要な機材を準備する。など)
- 利用者さん一人一人の特性にあわせて作業の促し方を整える。
- 作業量の調整。
- 作業をすることによる利用者さんにとってのメリットを見つけ、提供する。
など・・・今ざっと思いつく事柄だけで、これぐらいあります。
しかも1項目ごとに着目してみても、時間のかかることばかりでなかなか一朝一夕でできることのほうが少ないんです。
さて、一息にここまで書いてきました。
次回はこちらの6つの項目ごとに見ていきましょう。
ののあのあ
障がい者通所施設で働いてました。仕事内容教えます。1
前回の記事で、私は障がい者通所施設で働いていたことを書きました。
今回は通所施設で職員がしている具体的な仕事について、書いていこうと思います。
そもそもみなさん、障がい者通所施設って言われても、具体的にどんな場所か知らない方がほとんどですよね。
私が勤めていた時は、周りの人に「へえ、じゃあ、おじいちゃんやおばあちゃんの面倒を見ているんだね」とよく言われました。
もちろん施設にはお年を召した方もおられますが、大半は20代前半から40代後半くらいまでの方がほとんどです。この利用者さんの年齢層に関しては、施設ごとの開所年数や地域の環境、その他の条件によってかなり左右されることと思います。
ここで、世間一般的に言われる通所施設の概念を見てみましょう。
知的障害者更生施設(ちてきしょうがいしゃこうせいしせつ)とは、かつて知的障害者福祉法第21条6に規定されていた、満18歳以上の知的障害者を入所もしくは通所させ、社会生活適応・生活習慣確立のための生活支援、職能訓練など、障害者が自立し地域で社会生活を行なえるよう支援または訓練することを目的とした福祉施設である。
知的障害を持つと判定され、療育手帳が交付されている人が利用申し込みができる。なお他に身体障害者手帳もしくは精神障害者保健福祉手帳を交付されていてもこれによって知的障害者更生施設を利用できないということはない。また介護保険被保険者証が交付されてもこれによって直ちに老人福祉施設へ移行しなければならないということはない。
利用者は、会話が成立する者から身辺自立の言語による意思伝達の難しい利用者まで幅広く利用している。
Wikipediaより引用。
引用文の最後の一文にもあるように、施設には様々な人がいます。
一口に知的障がい者施設と言ってもその種類はとても多く、その施設ごとの線引きもかなりふわふわしている印象があります。
私が働いていた施設では、法人内でも最重度(と言われる)の方々が利用されていました。その中には実際に、区分が最重度区分として公的機関から認定されている方もいれば、もちろん重度であることには変わりないけれど性格的にこの施設のほうがより集中して作業に取り組めるというような理由から利用されている方もいました。
支援内容について
そんな多種多様な方が集まる施設で職員がしている仕事は、大きく分けると3つです。
- 生活にまつわる支援
- 作業にまつわる支援
- その他
1.生活にまつわる支援
生活にまつわる支援とは、まさにその言葉通りの意味で利用者さんの生活にかかわる支援全般のことを指します。
わかりやすい事柄で言うと、
更衣→利用者さんの程度に応じて手伝う。適切な服を選び脱ぐことから着ることを全介助の方もいればもちろん自分で全部更衣できる方もいらっしゃいます。その方に必要な支援を行います。
お手洗い→こちらも利用者さんの程度に応じて行います。お手洗いに促すだけでよい方もいれば、お連れしてからの一連を全部介助の方、または声掛けを行い行動を促す場合などもあります。
食事介助→上の二つに同じく一人づつ支援方法は違います。麺類などの食べづらいもののみ介助の方や、全介助の方、または見守りのみの方もおられます。
生活にまつわる支援はそれだけではもちろんなく、歯磨き支援や時には通院支援なども行います。細かいことで言えば水分摂取のためにお茶を促すなども生活支援の一つでしょうか。また、例えば利用者さんが手紙を書きたいなどの場合に手伝うことも支援の一部です。
他には利用者さんが排泄に失敗された場合の片付けなども行います。
思ったより長くなってしまった(-_-;)
2.以降はまた次回更新にてお会いしましょう。
ののあのあ
障害者通所施設で働いてました。
こんにちは。
実はただいま、絶賛ニートの私ですがもちろんずっとニートなわけではありません。
数か月前までちゃんと働いてました。
退職理由はもろもろ複雑なので(笑)ここには書けませんが、とっても楽しい仕事だったので紹介がてら前職のことを書こうと思います。
私の前の仕事は生活支援員です。
簡単に言うと知的障害をもつ方々の通所施設で作業や、生活にまつわる様々なことをお手伝いするという仕事です。
まずは、私の働いていた施設での一日のスケジュールを紹介いたします。
~8:45 職員登園(早い利用者さんはすでに登園済み笑)
~10:00 利用者登園
10:00~ 午前の活動開始(活動内容などの説明はまた)
12:00~ 給食
13:30~ 午後の活動開始
15:00~ 帰宅準備開始
15:45~ 順次帰宅開始
17:00頃 送迎なども含め全員帰宅のち事務作業
17:15 臨時職員は勤務終了、職員さんは残務。
これが、私が働いていた通所施設の一日です。
他の施設で働いた経験がありませんので、一般的なスケジュールはわかりません。
あくまでも私が働いていた施設でのスケジュールになります。
上記のスケジュールに沿って、登園された利用者さんは一日を過ごされるわけです。
時間通り、きっちり・・・なんて行くはずがありません。
4年間働いていましたが、一度も、と言っていいほど時間通りに進んだことはありません。(笑)
毎日、なにかしらの珍事件が起こったり、思いもよらないことが思いもよらない時間ロスにつながるからです。
その珍事件についてもまたゆっくり書けたらいいなあ。
それだけ聞くときっとみなさん、そんな仕事の何が楽しいの、って思いますよね。(笑)
それをわかってもらえるようにブログにしようと思ったんですけどね。
今は、正直障がい者施設って聞くと、みなさんあまりいいイメージがないんじゃないでしょうか・・・
「おじいちゃんとおばあちゃんばかりいる」という思い込みが多いのと同じくよく言われるのは「大変でしょ」の一言です。
ぶっちゃけます。
めちゃめちゃしんどいです。(断言)
でも逆に言うと、大変じゃない仕事なんてありませんよね。
人を選ぶ職業ではあるとおもいます。
だけど私は、はまってしまえば、楽しんでしまえば、こんなに面白い仕事もほかにないだろうと本気で思っています。
要は、みなさんよく知らないだけなんですよね。
少しでも読んでへえ、面白そうな仕事じゃんって思ってくれたら幸いです。
長くなっちゃいました。
次は、生活支援員の具体的な仕事内容について紹介しようと思います。
ののあのあ